さて、昨日は我々男子のアドレナリンが無限大になる日。
そう、バレンタインデーだったのだ。
我々男子は一欠片の情けをいただくため、寡黙な戦人になるのだ。
口に出してはいけない。欲しいという言葉は禁言だ。
「恥ずかしい」からだ。
我々男子にとって恥は死を意味する。
戦いは前日から始まる。
机の中やロッカーを綺麗にする。
チョコを入れやすくする為なのと、中を見られた時に清潔感を持たせる為だ。
そして必ず無臭にする。これが1番重要なのだ。
消臭スプレーを使用するのだが、決していい匂いにしてはいけない。
我々男子はいい匂いがしてはいけないのだ。
いい匂いがするという事は、机やロッカーの中を事前に見られる事を予測した行為といえる。
つまり、チョコを入れてくれと言っているも同然なのだ。
よって、使うべきは無臭の消臭スプレー。非日常を作り出してはいけないのだ。
そして我々男子は当日を迎える。
まず気をつけなければいけないのは、休み時間は極力教室から離れるという事。
これは勿論、チョコを机やロッカーに入れやすくする為だ。
が、しかし。目的は別にもある。
そう告白だ。
バレンタインデーにチョコを渡すということは即ち、告白されるということだ。
告白のないチョコレートなんて、本怖の仕事のない稲垣吾郎と同じである。存在してないのと一緒だ。
告白されやすいところは限られてはいるが、兎に角一目につきにくいところが良い。
教室なんて以ての外だ。
なるべくなら、静かで雰囲気の良い所。
自然と青臭い話が出来る場所がいい。
このように、数え切れないほどの努力をしても。本命を貰える我々男子は一握りしかいない。
多くの我々男子の命は散り、限られた極少数の者のみがリア充となる。
そして敗れ去った我々男子は、一握りの本命を仕留め、家庭を築いた父の偉大さを思い知る事になるのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿