2023年4月15日土曜日

雑感

どうも皆様こんにちは、こんばんは。土曜日担当ザキでございます。

さて、本日ついに話題のシン・仮面ライダーのアクションドキュメンタリーを見ましたよ。
あくまでこれは演出や意図の入ったドキュメンタリーという虚構の作品である、という認識を持っていて正解でした。
予想以上に創作の現場だったな、と。
SNSで色々言われてますけれど、庵野監督や田淵アクション監督、俳優の池松さんらの喋りや身体を見ても、真摯に作品作りを追求しているのだな、としっかり感じました。
自分も経験ありますし、ものづくりにはあれくらい情熱とカロリーが必要で、ぶつかり合わねばいけないことなんです……。
自分が万が一あの現場にいたら、あの創り方に納得していたと思います。
段取りではなく殺し合いを見せたい、という要望もね。



もちろん十二分に気持ちはわかるのですが、それで終わらせられないところも。
先週書きましたが、だいぶ良いところと悪い所がグラデーション的に入ってます。
「クリエイターが評論家じみた事を言い出したら衰弱の兆候だ」なんてセリフもありますがごめんなさい、ちょっと書かせてください。
気になったところだけピックアップします。


まず、マーベル並みのアクション、と言っている時点でマーベルに負けてると思っているんですよね、みんな。
いやそりゃ予算とかスケジュールの余裕とか天下のハリウッドディズニー映画に勝てると思ってませんよ。その中で昔からどうにか工夫して見せてきたわけで。
じゃあマーベルのアクションは殺し合いじゃなくて段取りに見えているのかよ、と。
んなわけないだろ。


次にそれぞれの価値観と引き出しが絶妙に噛み合わなかったらなんですよね。
庵野監督のイメージを超えてほしい、正解がわからない。段取りは嫌だ。
アクション部の怪我なく、かっこよく、ノウハウを活かしたアクションをしたい。
俳優の皆さんの、身体能力足りないながらも監督の意思を汲んで落とし込みたい。
それぞれが持っている価値観が違う上、持っている引き出しも違うのにそれを事前に擦り合わせない。
スケジュール的に無理はあろうとも、それははっきりダメだろ、と言えます。



そして最後、本当にリアルでやっている=面白いものではない、ということは伝えなければならない。
最後のアクション、演じる三人で考えて色々やってましたね。
小劇場で時折見かける『本当に殺しあえ!』みたいな殺陣。
泥臭く戦っているのが真実!みたいな。
……正直、つまらなかった。なんか実験的なドキュメンタリー見てるみたいだなぁと観た時は思いましたが、あぁそう言うことかと。
感動したかって?しましたよ、本当に肉体を駆使してやっているだけでダサくて別に面白くないなぁというマイナス方面の感動でしたが。
リアルとリアリティの差ですよね。実際の戦いと本当に戦っているように見えるものは違うんですよ。
本当にやっているもの=面白さではない、これは全ての人が分からなければならない。
最後のシーン、撮り終えた後の顔。
庵野監督も池松さんも森山さんも、誰一人納得した顔してたように見えなかったんですよねぇ……。


なぜここまで言うかって、自分も昔舞台で経験したことあったからです。
殺陣とかいらない、一手二手くらいでいいから本当に殺しあっているような芝居にしたい。
演出のそういう要望があって始まりました。
で、演出には蘓の正解もノウハウもない道筋も見出せない、殺陣師は途中で来られなくなる、殺陣経験者は20人以上いた出演者の中で6人だけ。
だから誰も分からない。やり方を知らない。
どこまで許容すべきなのか、どんな事をするべきか。
で、本番二週間前になって数少ない殺陣経験者だった自分が半ばやることになったんですよ、もっと上手い人もいたのに。
本当に相手を倒すにはこうだけど、実際そう見える動きはこうで、役者にこういう影響を与えるにはこうで、今からでも負担のない範囲でやるにはこうで、バランスを考えて……。
今でも思い出します。
それとは規模もクオリティも桁違いだけれど、トラウマじみたそれが蘇ってきてしまったのかもしれませんね。



何度も言うように創作の現場では今回のドキュメンタリーくらい当たり前というか、あぁ言うものだよねと思います。
それでもまぁ、いつまでもこういうやり方をしちゃあかんやろ、とも。
ただその合理性のなさというのが面白さになるところもあるからわからんのよなぁ……。
果たして次にシンシリーズが創られる時、現場の余計な負担が少しでも減ることを祈ります。



それでは皆様また来週に!さて、そろそろアミノ酸飲も!!!

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