2020年5月30日土曜日

受信パワー

どうも皆様こんにちは、こんばんは。土曜日担当ザキでございます。
緊急事態宣言解除されましたが、まだ油断は出来ないですな……。ともあれ、喜ばしいことですね。

さて、この前Twitterを観ていたら芸術家への給付云々についてまた荒れ狂っていましたね。まずは一次産業へ〜とか、演劇なんぞに渡すな〜とか。
いやぁ完全に平田オリザさんの炎上が大きな原因の一つでありますが……こうなってくると、本当に何のために演劇してるのか分からなくなてきますね!笑

それでこの前、面白い記事がありました。
いろいろ書かれていたのですが、要約するとコミュニケーション教育の失敗、演劇人は表現者、すなわち『伝える力』の専門家であって、『理解する力』が足りていない、ということでした。
これが最終的には社会的問題、教育の話に繋がってくるのですが、今は割愛します。

非常に興味深いです。
演劇の稽古や訓練では様々な言葉が飛び交いますが、その中でもよく使われるものに「相手を動かせ」というものがあります。これは台詞や行動で他者に影響を与える発信、つまり『伝える力』です。確かに稽古をしていても「動かせー!」といった言葉が印象強いです。まぁ舞台という特殊な空間に立つ以上、発信側の身体や言葉が強靭でないとそもそも誰にも影響を与えられないというのはありますが……。
実際思い当たる節もあります。いかに魅力的に自分を見せるか、伝えるかということを考える役者の多いこと……。表現力を、伝える力を!と言われ、そっちばかり鍛えられた結果、理解する力がなくなってしまったと言われると、納得するところはありました。


ただ演劇では伝える力と同じくらいに「聞け」「感じろ」といった受信、すなわち『理解する力』も大事にされます。どれだけ発信が強くても、受信能力が低いのは問題です。
きちんと相手の伝えるものを理解し受け入れ影響され、その上で発信する。
発信と受信は互いがカードゲームのようにターン制で回ってくるものではなく、常に同時に存在して動き続ける流動性の高いものです。現実、人は相手の話を聞きながらも動くし、喋りながらも相手を感じ続けているはずなのです。そこを分けることはできません。舞台に立つと台詞や行動が決まっている以上、発信者と受信者とが交互に入れ替わりがちではあります。そこで第三者目線で調整することが大事なんですが……多くの人間は発信を大事にするあまり、受信を疎かにしがちです。
発信と受信が成立していないのに、少なくとも観客にはそう見えていなければいけないのに魅力的な舞台なんてものはありません。

ただこの受信というのは曲者です。何せ相手の発信をどう受け止めるか、それは受信者側に委ねられています。自分が話していることが相手に伝わらない!という経験は誰しも感じると思いますが、それと同じです。決まった台詞や動きなのに、それを受け止める側の力が足りないと結局は成立しないのです。

剣術の型稽古には、仕太刀と受太刀というものがあります。型どおりに動けば前者が勝つ方、後者が負ける形で終わるように決まっており、その中で理論や動きを練っていくのです。
この型稽古を行う時、受太刀の方が上位になることが多いです。本当に仕太刀が正しい動きが出来ているか見極め、時にはそれじゃ駄目だよと勝ったりしながら仕太刀をリードしてあげるのです。そうしてどんどんと稽古を重ねていくのですが、演劇も似ていると思います。相手を受ける、すなわち理解する力が優れていると大抵上手くいくのです。

少なくとも平田オリザさんは自分よりもよっぽど優れた一流の演劇人ですし、この程度のこと出来ているし理解しているはずなのです。というか、あの人のやる演劇ってこれの方が大事じゃなかったか……。だから、理解する力がないなんてことはないと思います。

ただ、そもそもこれは演劇の上での話であって、現実世界に演劇における理解する力を持ってきてもズレが生じているのかもしれません。記事を書いた人も仰っていましたが、本当の理解する力とは何かを考える時がきているのか、とも思います。
自分も気をつけよう……。

それでは皆様また来週に!さぁて六月が来るぞぉ!!











2020年5月23日土曜日

見つけて喜んで疑って振出しに戻る

どうも皆様こんにちは、こんばんは。土曜日担当ザキでございます。そろそろ緊急事態宣言が解除されそうな感じですね。
とはいえ第二波第三波がどうなるか分かりませんが……何事もなく穏便に終わってほしいですね。

さてさてここ二ヶ月、ひたすら身体訓練に費やしてきました。その結果、以前より若干足が浮いたりとか、蹴り足をキープできるようなったりしたんですが……。
一番大きいのはわきの下のインナーマッスル、恐らく前鋸筋あたりが使えるようになったのが大きいと思うんです。

ただこういった身体感覚というのは至極曖昧なものでして。
おぉ!なんかここら辺が使えるようになってるぞ!と喜んだ数日後→あれ?前よりも感覚が薄れてるなぁ……→あぁ……どっかいっちゃった……また稽古しよ……。

上記をひたすら繰り返すことになります。でもこれってまぁ、あらゆるジャンルで起きることだと思うんですよね。むしろここを乗り越えないとどうにもならないというか……一生これとお付き合いしないといけないんだろうなぁと思います。

それでは皆様また来週に!次には解除された状態だったらいいですね!


2020年5月16日土曜日

発散、抽出

どうも皆様こんにちは、こんばんは。土曜日担当ザキでございます。
最近花粉第二波が到来してきて、花がグスグスしています……本当やだ。

ところで皆さんは頭の中がグルグルと渦巻いて、混乱してきたときはどうしていますか?何かをすっきりさせたいとき人がとる行動は、おそらく二つに分かれます。発散か、抽出か。
両方とも外に出すという意味は同じようなものですが、個人的にはちと違います。
発散はその通り、外に散らすもの。解消、といえるかもしれません。
外に散らす方法も内容も具体性もなければ何か形をなすこともなく、ただ己が気持ちよくスッキリするための行動。
一方抽出は、何か形を残すもの。例えば日記を書いたり、絵を描いたり、そうやって頭の中を具体化することで、物事を整理していくこと。これが発散と抽出の違いだと思っています。
発散は単純にスッキリするし、抽出は頭の中を整理するには必要だと思っています。どちらも人間には必要なことですね。
自分の場合、備忘録や頭の中の整理などを兼ねて、一人で文章を書き書きしています。とても人様に見せられたものではありません。
何かひとつ、外に出せるものがあると面白いんですけどね。

それでは皆様また来週に!引き続き自粛を頑張るぞ!



2020年5月2日土曜日

静かに、謙虚に

どうも皆様こんにちは、こんばんは。土曜日担当ザキでございます。
もう五月になりましたね。旧暦で皐月、田植えを行う時期だそうです。
緊急事態宣言からそろそろ一ヶ月、まだ伸びるらしい……!
さて、この間SNSを見ていたら芸術関連の話が伸びていましたね。
というか今『演劇』について調べたら、結構やばい事になってました。
いわゆる大御所と言われる人達の発言に対する批判の嵐。

いやそうだろうよ……。

まず演劇をやってる無名役者としては言いたいことは分かるし、舞台芸術の危機に対する発言は勿論ありがたいことです。

しかし演劇をやってるなら、見え方聞こえ方、喋り方ひとつ、動き方ひとつに気を配らなければいけないのではないのですか。
他業種を貶めるような発言、もしくはそう取られてしまう意味合いを持った発言をするべきではなかったと思います。
少なくとも、今コロナでギスギスしあっている世の中だからこそ、謙虚にいきましょうよ。

所詮は河原乞食と言われるようなモノなのだから。

とはいえこの方々は俺よりもよっぽど感性も頭も良いのだから、こうなる事は予測できていたのでは……?
それらを承知の上でこのような発言をしたのなら、そうなのかと思うことにします。
もしそうでないとしたら……あー……。
というか我々は政治だろうが経済だろうが、そういった社会に対する発信の仕方や戦い方が不勉強すぎるんですよね……。

しかし様々なニュースに対する反応を見てみると、自分含めて皆余裕がないんですよね。物理的にも精神的にも。
だから追い詰めてしまう、叩けるものは叩いてしまう。
清貧なんて綺麗事は言えませんが、せめて、せめて心だけは寛容でありたいですね。
俺はそうありたいです。こんなことを言ったらまた親指を下に向けられるんでしょうが。

それでは皆様また来週に!こういう時は日向ぼっこに限るぜ!